拝啓 風子様
虹の橋に走って行っちゃった風子へ ~ねねより
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ライフラインをひとつでも絶たれると、人間って本当に情けなくなってしまいます。

人間?・・・いや・・・私だけか?

先日、シャワーを浴びていたら急に、お湯が出なくなりました。

何気にお風呂場の窓の外に黒いものが動いてるのを見付けて、
言葉通り、背筋に寒いものが。
あれは、間違い無く我が家のボイラーの排気口から立ち昇る黒煙。
私は素っ裸。シャワーからは水。排気口からは黒煙。

でも、お仕事の納期の日だったので、今シャワーを浴びないと予定の時間に間に合わない!
切羽詰り、そのまま冷水でシャワーを浴び、ガタガタ震えながら出掛ける支度。

さあ出掛けようと玄関に行ったところで、
車のエンジンをかけておくのを忘れていた事に気付きました。
雪国ってそうなんです。
車、特にフロントガラスなんかかっちかちに凍っているので、
最低、車を動かす20分前にはエンジンかけとかなきゃ前が見えないんです。

昼間なのに吹雪いてる中、
スノーブラシのゴムベラでがじがじ、フロントガラスの氷をこそげ落とすこと5分。
さぶいーさぶいーと半泣きで出発。
鼻水すすりつつボーッと帰宅。

帰って来たダンナにボイラーの排気口を外から見てもらったら、
もっくもくの黒煙と、

「ひ、火花出てる(笑」

あいやー(ノ_・。)なんてこったい。

新しいボイラーの取り付け工事は明日。
ゴム手袋して食器を洗ったりしてるけど、この時期の水の冷たさはハンパなく、
ゴム手袋を通して指先がジンジンかじかんで痛くなるくらいです。

そんなわけで、風邪をひきました。くしゅん。情けない。

しばらくは感染すとマズイので、ばあちゃんとこに行かない方がイイくさい。
とゆーことで引き続き、風子さん、ばあちゃんによろしくです。
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ダンナの祖母、姑の姑、すなわち大姑であるウチのばあちゃん95才。

少し前から具合が悪くなり、一時は危篤状態に陥っていました。
今現在は小休止という感じで、落ち着いてはいるのですが、
いつ、何があってもおかしくない状態である事に変わりは無く。

悲しい、とも違う。
もっともっと長生きして欲しい、とも違う。
頑張って、とも言えない。

だけど、ばあちゃんって、なんだか折れないような気がして。

100歳まで生きる、の口癖どおり、のほほんと目標を達成するような気がしてたし、
今まで入院したり手術したりしても、その度に見事に復活してきた人だし。

危篤って言われてもピンと来ないんだよなぁ・・・。
飲み込めない何かが、胸につっかえてるような気分です。

散々世話をしてきた私のことも、姑のことも、多分、信用してないばあちゃん。
そういえば風子を迎えるまでは、動物も犬も好きじゃないって言ってたっけな。

でも、ちゃんと風子と仲良しになれた。

「ふうこは特別だ。ふうこは一番めんこいなぁ。めんこい、めんこい」

しわしわの手で撫でられて、風子も嬉しそうだった。



風子。ばぁばの事見ててね。

めんこい、めんこい、は今は多分無理だけど、
ばぁば、風子の事好きだから、近くに居たら安心するよきっと。
風子 元気にしてますか?
早いもので、風子が虹の橋へ走って行ってから、1年が過ぎました。
虹の橋での暮らしにはすっかり慣れましたか?


Scala and Kolacny Bros - U2 With or Without You


全てがひっくり返ったように変わったような・・・
それでいて何にも変わっていないようで・・・
不思議で、奇妙な、1年でした。

ねねの気持ちも随分、変わったように思います。

風子と会えなくなったことが辛くて、苦しくて、痛くて、痛くて
言っちゃいけないと思いながら、
思っちゃいけないって分かっていながら。

何度も、
会いたい。風子に会いたい。

風子のとこに行きたい。って。正直、思ってました。

死にたい、っていうんじゃなくて。
ただただ、会いたい。
会いたい。その一心。
それ以外の想いは無くて。

でもね。

会えないんだよ、多分。
走って行った風子の後を、がむしゃらに追い掛けても。

風子、頑張ってたから。

一生懸命生きようと、あんなに頑張ってたから。

一生懸命頑張って頑張って生きた子には、
頑張って頑張って生きた人だけが会えるんだ多分。
そんな気がする。

だから頑張って生きなくちゃと思ってる。
もう一度風子に会う為なら何でも出来るもの。

その道程の先は、見えない。
明日終わるかもしれないし、何年先で途切れるかもしれないし、
何十年先まで長く長く続いてるかもしれない。

でも、だいじょぶ。ねねもパパも頑張れる。

笑顔で、堂々と、風子と会うためなら全然頑張れる。




大好きだよ風子。




へそまがりで、頑固で、気分屋で、
友達中々出来ないし、すぐ怒ってガウガウするのに、

実は恐がりで、淋しがり屋で、雪が落ちる音でヒュンヒュン泣いちゃって、
ねねの布団に潜り込んで安心して、
ぐっすり眠った数時間後におねしょして逃げたりする風子が




大好き。




食いしん坊で、大きな豚耳を5分で完食しちゃったり、
こっそり優しくて、すずめやカラスがカリカリ食べてても無視しちゃったり、
猫さんにパンチされても、嬉しそうに微笑んでたりする風子が。




大好き。




立ち上がって、助手席の窓の隙間から顔を出して、風をぱくぱく食べてる笑顔が、
コタツ布団をめくったら、ど真ん中でニヤニヤしながら爆睡してる顔が、
川の遊歩道を、ゴキゲンに巻いた尻尾をプリプリさせながら歩いてく後ろ姿が、




大好き。ずーっとずーっと大好き。





実は丁度数日前から、ばあちゃんがちょっと具合悪くなっちゃって、バタバタしてます。
でもなんだかなぁ、
今まで何度も、お医者さんには「寝たきりになるでしょう」とか「痴呆が始まるかも」
なんて言われて、その度に良い意味で診断を裏切ってきたばあちゃんの事だから
ねねはね、又元気になるんじゃないかなぁなんて気がしてるんだけど。

年令が年令だから、まだわからない。
覚悟してくださいって言われています。
風子はばあちゃんと仲良しだから、今もそこから見守ってくれてるかな。



ねねとパパは、そんなこんなで忙しいけど、元気です。ちゃんと笑顔です。

風子も笑顔で、友達と仲良く楽しく過ごして下さい。
美味しいものいっぱい食べて下さい。

時々は、遊びに来て下さい。

ねねもパパもフウコがいること、きづかないからつまんない!

とか言わないでちゃんと来て下さい。
一緒に笑って下さい。
玄関でゴロゴロ、転がってて下さい。
コタツの中で、とろとろとろけてて下さい。
たまには、ねねの買い物に付き合って下さい。
ねねとパパのおつまみ狙って、お座りして下さい。

ねねとパパが、貴女の話をしてるのを、笑顔で、隣で聞いてて下さい。

お願いね。

ほんじゃ、また(。・ω・。)ノシ

                                              かしこ


ねねより
風子ってさ。

私の事、きっと『ねね』だと思ってるよね。




あー。そうだな。
・・・いや、待てよ。俺、ねねの事『○○』って名前でも呼んでるから
風子はちゃんと理解してたような気もするなぁ。


でも風子にとってはちっちゃい頃から、必ず『ねね』だったよ。
ねねとこおいでー
ねねにちゅーは?
ねね帰ったよー・・・
風子!ねね怒ってるよ!ほら!みたいな(笑


確かに(笑
じゃあ俺はずーっと『パパ』か。


そうだね。
そういえばパパの事、“パパ”以外で呼んだ事、多分無いもんね?


気が付いたらずっとそうだった。

私は、ねね。

ばあちゃんが“おねいさん”と呼び、ダンナが時々“お姉ちゃん”と呼ぶからなのか。
弟と妹二人が居て長女だったからなのか。

どっちにしろ、
気が付いたら、私は、ずっと、ずーっと、風子にとっては“ねね、ねぇねぇ”で
ダンナは、結婚前から私が呼んでいたまま、“パパ”だった。

この間、晩酌しながらPCのモニターに浮かんでは消える風子の写真を見ながら
そんな風に、風子の記憶にある“私達の名前”の話をしていた。
後から考えたら、本当に、“パパの名前”を呼んだ事が無いって気付いて。

まさかそんな。風子が生まれる前から十ン年も一緒に暮らしてる人の名前なのに。

んー・・・最後に呼んだのはいつ?いつだ?

銀行とか市役所とかアンケートとか、諸々の書類には飽きるくらい書いてる名前なのに
ダンナに面と向かってダンナの名前を呼んだ事が無い。本当に無い。記憶に無い。

付き合ってる頃は苗字で呼んでた。うん。

で、苗字から、冗談めかして“パパ”と呼び始めて、それからずっと“パパ”だった。

うわぁーー!風子、ねね、初めて気付いたよ!
『○○さん、○○くん』とか、名前で呼んだ事、一度も無いよ!

○○さん?○○さん、いってらっしゃい!って?

独り言のようにつぶやいてみたら、あんまりにも変で、なんだか頭をかきむしりたくなった。

じゃあ・・・やっくん?やっくん?えーーー!

クチから火が出そうだ。無いわー。やっくんは無いわー。
両手でほっぺたびしびししたくなった。

まあいいか。

パパはもうパパ以外ありえないし、
ねねはねねだし。

そだよね。

風子もきっとそれ以外しっくり来ないよね?きっと。

と一人で酔っ払いながら、風子の写真に同意を求めるのであった。
お姑さんから電話がかかってきた。

「ねねちゃん?留守にしててごめんねぇ、封筒届けてくれてありがとう」

ウチの住所は元々ばあちゃんの代からダンナ一家が住んでいたところなので、
時々、姑宛やばあちゃん宛の郵便物が届く。
買い物に行くついでなどにそれを、姑の家まで届けたりする。

「それと、パン!すごくうめがったぁ!ごちそうさま(o^∇^o)」

・・・パン?

・・・パン!?

「封筒と一緒に置いといたあのパン!?だ、誰が食べたんですか!」

「(。・ω・。)?わたしが。あんまりうまくて、あっという間に食ってしまった」

まぢですかΣΣ(゚д゚lll)

↓姑の食べたパン↓

【↓ツヅキ】
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