拝啓 風子様
虹の橋に走って行っちゃった風子へ ~ねねより
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2008年1月下旬

体重9.7kg
日に日に増加する。
腹水の他、胸水、四足の浮腫み、アゴの下にも水の貯留が見られる。
冷たい水はよく飲む。温めたり、スープにすると嫌がる。
食欲は、ゆでレバーとタラ巻きササミ以外は無視。

呼吸は時折苦しそうだけど、横になって眠ることは出来る。
オシッコの量は多い。ウンチが少しゆるい。




ダンナの誕生日、家で焼肉をした。

たくさんお肉や野菜や、風子(とパパ)の大好きなレバーを買い込んで、
風子の目の前で焼いた。

昼間は、無理矢理療法食を食べさせられて不機嫌だった風子の表情も、
ワクワク、キラキラして見える。

焼いたレバーを冷ましてから、風子の前に。
待て、って言ってないのにちゃんと待つ。
「いいよ」の声を聞くと、あっという間にかぶりついて食べる風子。

「その勢いでごはんも食べてくれへんかなぁ」と苦笑しながらも、私は嬉しくて
「いいよな?美味しいのが一番だもんな?」とパパもニコニコ笑ってた。

風子はレバーの他、カルビも少し食べた。

私達は風子が美味しそうにお肉を食べるのを見ながら、美味しいビールを飲んだ。

美味しそうにお肉を食べた後、
満足げに寝床に伏せて、眠そうな顔をしてくれるだけで
眠気も、疲れも、全部吹っ飛んでしまうくらい幸せだった。

こんななんでもない、幸せな瞬間が、今までの12年間の中で
何回も何十回も何百回も、もっともっとあったはずなのに
悲しいかな。よく覚えてない。

たくさんあり過ぎて。
あんまりにも当たり前だったからかな。

2008年1月某日

肩をつんつん、つんつんと突付かれて目が覚める。
豆電球の薄暗いオレンジ色の明かりの中で時計を見上げると午前3時。
自分の寝床を出て、すぐ隣のコタツで寝ていた私の顔を覗き込んでいる風子。

─あれ?まだチィ出る?

1時間くらい前に行ったばかりだったけど、わざわざ自分で起きて来る位だから
また出るんだろうと思い抱き上げようとすると、
風子は“ちがう、ちがう”と私の脇にくっついてぺたんと伏せ、
少しめくれたコタツ布団の隙間にすんすんと鼻先を突っ込んだ。

─もしかしてコタツに入りたいん?

ほふく前進でコタツに少しずつ入ろうとする風子の様子が、可笑しくてしょうがない。

─風子のお布団かって、ほら、電気毛布でホカホカやん?
─コタツの方がエエの?ちょ、ちょっと待ってー、潜ったらアカンってー(笑

潜り込もうとする風子を抑えて、頭を外に、体とお尻を中に入れて、肩まで布団をかけて
笑いを堪えながら頭を撫でた。
風子はとろんとした顔で、さっさと気持ち良さそうに寝始める。

─そんなに入りたかったん。変な子(笑

一緒にコタツに入って、すぅ、すぅという風子の寝息を聞きながら目を閉じた。

病気になってから、苦しくてすっかり大人しくなっていた風子が
1月中旬頃からだったかな、前のように少しずつ自分の主張を通そうとするようになった。

療法食は食べたくないけど、ゆでレバーとたら巻きササミなら食べる、とか。
玄関マットの上で伏せたい、とか。

最後の日までの半月余り、体の苦しさ、しんどさは
日を追うごとに増して行ったはずなんだけど、
去年の今頃の風子は、とても“風子らしかった”かもしれないな、と思う。

腹水でどんどん重たくなるお腹、浮腫みで倍以上に腫れた足。
歩くのが辛そうだからと洗面所でトイレをさせようとしても、拒否。

ごはんを食べさせてる時は、この世の終わりみたいな絶望感に満ちた顔してるのに、
パパが帰って来て、晩酌しながらゆでレバーをひとつ、ふたつと目の前に出すと
嬉しそうな顔で、むっちゃむっちゃとレバーを噛み、「おかわり!」と笑顔。

だから、つい、私達も笑って。

ワガママで、頑固で、へそまがりな風子。
大丈夫だね。この分なら、きっと風子の病気、良くなるねと。思ってしまうくらい。
風子は、風子らしく、一生懸命頑張っていた。


2008年1月10日木曜日

初めて訪れた大学病院で朝っぱらから大失敗
ありえない。大事な日なのにありえない、自分。
冷や汗かきまくりだったけどなんとか受付1番乗り。

風子の検査には1時間くらいかかる予定です、と言われたけど、
約2時間、風子は帰って来なかった。

大学病院の待合室は、時間が過ぎるほどにたくさんの動物とヒトで溢れ返った。
一目見ただけで、具合が悪そうだって分かる子もいっぱい来ていた。
風子みたいに、地元の獣医さんでは手に負えないと紹介された子も多いんだろう。
この雪の中、何時間もかけて運転して受診しに来た飼い主さんも。

時々検査室のドアが開いて、誰かが出入りする度に、
白衣を着た学生さんや先生に囲まれて困った顔をしている風子がちらっと見えた。

何が起こってるのか分かんないんだろうな。不安だろうな。
だいじょぶだよー。ねね、ちゃんとここにいるよー。
手を振っても風子には見えないけど、手を振って
ちっちゃい声で「ふーこー!」って言ってみたりした。

2時間後、呼ばれて診察室に入る。
私が入って来ても伏せたままぶすーっとしてる風子を見て、ちょっと安心した。
ぐったりしてはいなかった。

レントゲン、血液検査、心エコー、心電図・・・検査結果を見せてもらいながら説明を受ける。

・腹水は、まだ抜かなくても良い。慎重に時期を判断していく。

・12月のB獣医さんでの検査結果と比べると、
 肺の状態は完全にとは言えないけれど、格段に良くなってる。

・だけど心臓の状態は、悪化している。
 心臓の周りを覆った膜の中に水が溜まって来ていて(心嚢液貯留)
 この水を抜かないと心臓の動きを阻害して、心不全を引き起こしてしまうので、
 腹水と同じく、時期を見て心臓の水も抜かなくてはならない。

詳しく検査してもらっても、心臓の専門の先生に診て頂いても、
相変わらず結果はあまり良くなくて、まだまだ不安や恐怖はてんこ盛り。

検査の前に、先生に
「血液検査の時に、風子ちゃんの血液を少し提供して頂けませんか」と言われたので、
「どうぞ」と答えた。
風子の為に役に立つ何かが、今すぐ出来るわけでは無いけれど、
将来のより良い薬や技術の開発、研究の為に使わせて頂きますって。

ほんのちょっぴりだろうけど、風子を含めた病気のわんこ達の提供した血液が
将来、何かの役に立つのかもしれない。

そう思ったら、不安は変わらなかったけど、少しだけ幸せな気分になった。
2008年1月初旬

9kg近くあった体重は、半月で8kgまで落ちていた。
それが年末からお正月にかけての数日で、今度は測るたびに少しずつ増えて行く。

顔や背中、腰は痩せてゴツゴツしているのに。
お腹に触ると、たぷたぷした感触。
腹水が、溜まって来たのだ。

受診する度に難しい顔で時々何か考え込んでいた獣医さんは、
お正月休みが明けた日の朝に受診した際、
腹水の状態を診て、言った。

「・・・やっぱり、専門の先生に診て頂いた方が良いと思います。」

結局、最初にA獣医さんから紹介されるはずだったC大学病院に、再び紹介される。

この頃、100g単位で測れる体重計を買って来て、居間に置き、
毎朝パパに抱っこしてもらって計測するのが朝の日課になった。

そういえば、

「・・・パパの体重引いて・・・あぁー(;´Д`) また200g増えてる。
 腹水抜いてもらわなくちゃダメなのかなやっぱり・・・」

なんて計算機片手にぶつくさ言ってる私の横で、
パパは抱っこした風子にニコニコと、なんか話しかけてたっけ。

─だいじょぶだよなー、風子元気だもんなー。
─パパ行って来るから、パパにちゅーは?

毎朝スキンシップしてもらって、なんとなく、朝の風子はゴキゲンに見えた。
まあそのゴキゲンも、「そろそろ朝ごはんにしよっか!」までなんだけど(ノω・、) うっ
風子が飲んだお薬というとこれまで、目薬は別にして
フィラリアの予防薬くらいで、いつも錠剤だった。

錠剤はクチを開けさせて喉の奥にきゅっと押し込んで、
しばらくマズルを閉じさせてると上手にごくんと飲み込む。

ところが、B獣医さんで処方されたのはいくつかの錠剤と
先生が調合してくださった粉薬。
どうやって飲ませれば良いんだろう、と戸惑ってたら、
給餌用の大き目のシリンジとは別に、お薬用にと小さいシリンジも持たせてくれた。

教えてもらった通り、小皿に粉薬と少量の水を入れて混ぜて、シリンジで飲ませてみる。
でもこの方法、なんだか、うまくいかない。

飲ませたあとのシリンジの内側に、どうしても
溶けきらなかった粉薬が貼り付いて残ってしまう。
少量とはいえ、ただでさえ元々耳かき何杯分?って位の粉薬。
これじゃちゃんと効かないんじゃないかって不安になった。

ネットで粉薬の上手な飲ませ方を色々探してたら、どこだかで、
食欲対策に購入してた高カロリーサプリメントが使えると書いてあって
早速試してみる。

小皿に粉薬をとり、
ねっとりした水飴状のサプリメントをティースプーン一杯くらい搾り出し、
粉薬を練り込んで、
強制給餌の時と同じようにクチの、上あごの内側にぺとっと塗り付ける方法。

しばらくマズルを閉じさせていると、風子はごくんと飲み込んだ。

うまくいったーって大喜びした。
早速サプリメント、これからたくさん使うだろうから、と追加注文して。

思えば、あの時の風子の体は、無理矢理食べさせられるご飯だけじゃなくて
あのサプリメントにも助けられてたんだろうと思う。

風子。
未開封のサプリメントね、全部実家のK君に送ってあげたんだよ。
おじいちゃんだから時々食欲が無くなることがあるらしくて、
そういう時にごはんに乗っけてあげたり、舐めさせたりして、元気出してるんだって。

そういうの聞くと、ちょっと嬉しいよね。
風子のプレゼントが、K君の元気を取り戻す助けになったって思うと、嬉しい。
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